【リーチ先生】
原田マハ著
1954年、
大分の小鹿田を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市(こういち)は、
亡父・亀之介がかつて彼に師事していたと知る。
時は遡り1909年、
芸術に憧れる亀之介は、
日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。
才能を開花させるリーチ。
東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、
陶工父子の視点から描く感動のアート小説。
日々の楽しみであった、リーチ先生を読み終わってしまった………🙀
史実に基づいたフィクション。
すごくすごく芸術的で人間味のある温かい小説だった。
陶芸について知識は無かったが、
私も陶芸家を志したいと錯覚するほどのめり込んだ。
むしろ、ひとつのことに熱中する登場人物達を羨ましく思った。
マハさんの文章は、生き生きとした登場人物の目の輝きを目の前で見ているかのよう。
そして心温まるハッピーエンドがとても好きだ。
そして、史実に基づいたものとなっているので、参考資料の数が半端ない🙀🙀🙀
こんなふうに、この人たちを結びつけているものは、いったいなんだろう。
それは、たったひとつの、
強固で美しい共通の言葉かもしれない。
三人が共有する言葉ーそれは「芸術」だ。
「芸術」の話をしている最中の三人は、
目を輝かせ、身振り手振りも大きくなって、
とても楽しそうに、また生き生きとして見える。
ぶつかり合いも、反発もない。
芸術について論じているときの三人には、
響き合う音が流れ、ハーモニーが湧き出るようだ。
美しい言葉で編まれた詩のような、
心豊かな音楽のような、
やさしい絵の具の色合いのような。
言葉、表現が芸術的で感動。
最後の方は涙がポロポロと。